知っておきたい医療行為の原則ルール

介護現場では病気を患っている状態の利用者も多く、医療行為が必要になることも珍しくありません。施設によっては大半の利用者が持病を持っていて、毎日投薬をしなければならないこともあります。

介護士になると介護の仕事だけでなく、医療行為も求められるかも…と思うかもしれません。しかし、介護士は原則として介護のみを担当する仕組みになっていて、医療行為を担当することはほとんどありません。基本的に医療行為は医療関係の資格を持っている人にだけ認められているのが基本だからです。ほとんどの介護施設では、常駐している看護師が担当することになるでしょう。

実際、介護を受けている人の中には、注射薬の投与が必要になる人もいます。しかし、一般人が人に対して注射をするのは法律的に認められていません。医師や看護師の資格を持っていなければ注射はできないルールになっています。バイタルサインのチェックや問診なども同様で、医療資格を持っている人が担当するのがルールです。

ただ、元々資格者のみに認められていた医療行為でしたが、介護職全般でできるようになったものも存在します。一例として、体温計の体温測定や血圧測定、軟膏を塗る行為、湿布を貼る行為、点眼、服薬介助などがあります。また、介護福祉士実務者研修を修了することで、医師の管理下のもとで痰の吸引の処置ができるようになります。介護と看護の行為はボーダーラインが曖昧であるため、やって良いこととそうでないものをしっかり確認することが大事です。

加えて、介護士に対して、利用者から医療に関する質問をされることもあります。高齢者の多くが何らかの病を抱えている状態であり、医療の話になるのは至極当然のことです。利用者に安心を与えるケアをするためにも、適切な回答をできる程度の知識は付けておきたいところです。さらに、医療の知識にも精通した介護士になるべく、医療行為の範囲や薬の知識はしっかり頭に入れておきましょう。